339人が本棚に入れています
本棚に追加
プレゼントしてもらったバリオスには、警察無線をキャッチできる機能がついていた。
烈司さんと百鬼と獅子島さんがつけてくれた違法のアイテム。
それで『伽藍道(がらんどう)』の動きを調べた。
《現在―――――本体は、神谷町へ―――――》
(神谷町ってどこ?)
無線をキャッチできても場所がわからない。
でも、うるさい音がする方へ行けば会えるはず。
(運が良ければ、見つかるだろうけど―――――)
ファンファンファン!
パトカーが、私の真横を通過した。
ドキッとしつつも、ハッとする。
(あれについて行けばいいかな?)
警戒されないように尾行する。
ほどなくして、パトカーの隙間から3台のバイクが見えた。
《前のバイク、止まりなさい!》
(あれ・・・?)
パトカーの前を走るバイクを見て違和感を覚える。
後ろに乗っている奴が、運転している奴ともみ合っていた。
確認できる範囲で、どのバイクもそのようなやり取りをしていた。
(後ろに乗ってる子達・・・抵抗してる?)
「やめっ!うわあ・・・!?」
「やめろボケ!」
突き落とされそうになった1人を、別のバイクの後ろに乗っていた男子が掴む。
リーゼント頭で後ろの髪だけ長い子だった。
ズザー!!
その子のおかげで、落ちるではなく、引きずられるようにして地面に転がされるだけで済んだが・・・。
「うう・・・!」
遠目で見る限り大けがはしてないと思うが・・・。
「逃げろ蒼穹(そら)!」
「す、すまねぇ・・・!」
リーゼントの子が、地面に転がった子に叫ぶ。
それで地面に転がった子が、ヨロヨロしながら立ち上がると、徒歩で逃げていく。
「余計なことすんな雷太!」
「うっせぇわ!」
雷太と呼ばれた男子は、自分を乗せている男ともみ合い始める。
最初のコメントを投稿しよう!