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目に映るのは愛する人の名前。
「うははは!さっそく、わしのばあちゃんの万年筆がきいたのぉ~!?」
「ええ!?これ、おまじない効果!?幸せを呼ぶんですか!?」
「はよう、出ぇや!」
「う、うん!―――――もしもし!」
だいぶお待たせしてしまったと思いながら出る。
「み、瑞希お兄ちゃんですか!?」
〈よぉ~今日はすぐに出たな凛?やっぱり、昼飯時にかけた方が、つながりやすいな?〉
そうお返事してくださったのは、私が絶賛片思い中の真田瑞希さん20歳!
とにかく、カッコよくて優しくて、キュートで件か月よくて、ギャップ萌えでキュン死しそうなぐらい素敵なお方なのです!
〔★凛はノロケている★〕
「どうなさいましたか!?僕に、御用でしょうか!?」
〈ああ。今週の土曜、朝から開いてるか?〉
「え!?」
〈ヒマならよぉ、2人だけで出掛けたいと思ってんだが・・・どーよ?〉
2人きりで出掛けたい!?
「もちろん、OKでございます!」
〈マジか?よし、じゃあ決まりだな?〉
「はーい!」
まさか、まさかでデートのお誘い!?やったぁー!
〔★設定上、それはない★〕
幸せの絶頂の私に、彼の甘い声が響く。
〈それじゃあ土曜は、兄弟水入らずと行こうぜ。くわしいことはLINEするから待っててくれ。〉
「はい!永久に!」
〈そこまで待たせねぇーよ!じゃあな。〉
「はぁ~い!またですぅ~!」
瑞希お兄ちゃんとの電話が終わる。
(今週の土曜日に2人きりでデート・・・!)
前に、カフェのリサーチに出かけて以来ぐらいじゃない!?
普通のラブイベントのチャンスが来るなんて~!
「うははは!土曜日に瑞希はんと2人きりは、えんなんとか君が聞いたら怒りそうやなぁ~!?」
「え!?き、聞いてたんですか、ヤマト!?」
「うははは!近距離やから聞こえるわ~!集会はあかんけど、お兄ちゃんとのデートはええってかぁ~!?」
「い、いいじゃないですかぁ~!?」
「うはははは!身体を休めさせるとしたら、今しかないんやなかったかぁ~!?」
「心が元気になれば、身体も元気になるんです!」
「うはは!便利やな~愛の力~!」
予鈴のベルが鳴るまで、私とヤマトの恋バナは続いた。
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