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「いいから乗れ!!パクられたいのか!?」
「あ、え、う、う、うん・・・!」
首を横に振りながら答えると、困惑しつつも男子は後ろのシートに座った。
「つかまれ!振り落とされるなよ!」
バウ、バウ、バウ、バウウウン!!
それだけ伝えて、棒立ちしている警官の間を通過する。
胸糞悪い親衛隊達が、走り去った方向へ進んだ。
「うっ、おおおおお!?」
背後から、風の抵抗を受ける雷太と言う男子の声がした。
振り落とされるなと言った以上、それなりにスピードは出した。
とにかく、警察を振り切るしかない。
ファンファンファン!
《そこのバイク、止まりなさい!》
さすが国家公務員。
追いかけてくる動きは早い。
だけど、こんなところで捕まる気はない。
(どうせ、僕はヤンキーなわけだし、悪いことするものだと思われてるからいいよね?)
《とまれ!逃げても無駄だぞ!?》
怒鳴るおまわりさんにごめんなさい!と思いながら―――――――――
バサ!!
ジャケットをぬいだ。
「え!?」
後ろに乗せた男子が叫ぶが、彼に当たらないようにジャケットがかぶらないように単車を傾ける。
バウンバウンバウンバウウウウン!
「うおおお!?」
(必殺、獅子島さんの教えアタック!)
体から離れたジャンパーが、パトカーの視界を塞ぐ。
上手い感じに、パトカーの正面に張り付いてくれた。
《う、うわあああああああああ!?》
キッキッー!!
先頭車にかぶせたことで、後続のパトカーも止まって行く。
それでパトカーと私達の距離ができた。
《な、なんてことするんだクソガキ!》
《あ!?いや、おい、待て!あれ、特服じゃないか!?》
《あの背中の文字は―――――――――!?》
「りゅ、龍星軍!?」
パトカーのスピーカー音に続くように、後ろに座っている男子が叫ぶ。
「龍星軍!!の―――――――――よ、4代目総長!!?」
(あ、バレちゃった?)
そうだよね・・・背中に文字もイラストもいれてるから・・・
ミラー越しに後ろの子を見れば、目を見開いて私を見てた。
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