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改めてみれば、いかにもヤンキーという感じの子。
ただ、髪型がリーゼントなんだけど、烈司さんと違って、首の後ろを長くしていた。
あれなんて言うんだっけ??
えーと、確か・・・そうだ!
「襟足(えりあし)。」
「え、襟足!?」
「違うの?君の髪の毛、後ろだけ伸ばしてるよね?」
「そ、そーだけど!」
そうそう、そういう名前だったはず。
「いや、そうじゃなくて!あんたはいったい・・・!?」
「名取公園って、わかる?」
「へ!?あ、ああ。」
「じゃあさ、ポリを振り切るから案内してよ。」
「え!?」
「応急処置のための救急箱ぐらい、あるだろうから。」
「あ・・・あんた一体・・・!?」
「ご覧の通りです。」
首だけで振り返り、ニッコリ笑う。
だけど相手は、固まったままでピクリともしない。
(愛想がないわね。)
〔★驚いていればそうなる★〕
ファンファンファン!
隣の道路から、パトカーがこちらに並ぶように侵入してきた。
「俺を絶対、離すなよ。」
「え!?」
スピードを上げて、パトカーの前に移動する。
そして、瑞希お兄ちゃんに習ったローリングをしかけた。
キュン!ギュン!ギュギュギュン!
《コラ!やめろ!》
《待て!あの特攻服はー!》
軽くあおったところで、素早くパトカーから離れ、車線変更した。
その隙に、襟足くんに聞いた。
「いい逃げ道ある?」
「あ・・・そこ!左の道!」
「住宅街のところ?」
「そうだよ!パトが入れない抜け道がある!」
「OK。ナビ、よろしくね?」
「あ、ああ・・・。」
襟足くんの指示で単車を急カーブさせる。
ついてくると思ったパトカーは、追ってはこなかった。
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