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20 ゲームの時間は終わりました
顔色の悪い殿下に、わたくしはゆっくりと視線を向けた。
「殿下……こんなことをなさらなくても、わたくしは、婚約解消のお話を頂ければ、すぐに同意するつもりでしたのに」
「な……! お前は、ずっと王妃の座に執着していただろう!」
確かにゲームのディアナはそうだった。
だけど、この世界に生きるわたくしは、違うのよ?
王妃教育に真面目に打ち込み過ぎて、そう思われていたとするならば大きな誤算だ。
「……いいえ、全く。でも、一貴族は王家からの正式な打診は断れないのです。こちらから解消することはできません」
「ディアナ! 前から思ってたけど、あんた何でシナリオと違う事ばっかりするのよ! まさかあんたも、わたしと同じ転生者なの!?」
「てんせいしゃ? 何のことですの?」
噛み付くように言葉を吐き捨てるソフィア嬢を見つめて、わたくしはわざとらしく首を傾げた。
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