20 ゲームの時間は終わりました

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 今回の騒動の核である第1王子サフィーロ=ユエールは、一方的で悪質な断罪により王家の信頼を失墜させたことを鑑み、王子の身分剥奪及び苦役刑を課されることとなった。  この決定に、貴族たちも驚愕の表情を浮かべていた。  苦役刑はある意味死罪よりも重く、王族、貴族に適用することは稀である。農地開墾や道路開削、鉱山開発などの危険で過酷な仕事に従事しなければならない。刑期は5年。刑期を終えても、王子ではなく庶民だ。王になるべく、今まで輝かしい道を歩んできた彼にとって、堪え難い苦行だろう。  もう1人の核、ソフィア=モルガナ男爵令嬢は、王族に対する不敬や侯爵令嬢への侮辱、王族、貴族子息への詐称行為などが重く見られ、生家の男爵家取り潰しが決定し、本人は隣国の娼館へと送られることとなった。  身分制度が一層厳しいかの国の花街は独特で、花街自体が高い塀の中にあり、ひとつだけある門からしか外に出られない。自分の身を買える程稼ぐか、身請けされるか――いずれにしろ、一朝一夕には終わらない。  2人への処罰については、何より王妃さまがその所業に憤慨しており、一切の情状酌量を認めなかったという。  そして――――  第1王子の1番の側近であったアレクシス=ラズライト侯爵令息も、他の貴族子息と同様の刑を課された。
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