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でもそんなセドナも、わたくしがお兄様を連れてきていたことには大変驚いたようで、目をまんまるにしていた。
対するお兄様も、何故かセドナを見て固まっていた。まあ妖艶美女ですものね、セドナは。
娼館最上階にあるわたくしの私室に向かい、3人でこれからの話をする。
事情によりわたくしは暫くオーナー業をお休みする事になり、その代理を正式にセドナに務めてもらうためだ。
セドナは快諾してくれた上、前のオーナーが実はセドナだった事も教えてくれた。わたくしがこの娼館を買い取りたい理由が面白かったため、乗ってくれたらしい。
商談の時にわたくしが対峙した前オーナー風の人は、セドナが雇った偽物のオーナーだったそうだ。
訂正しましょう。セドナは妖艶かつミステリアス美女だわ。
そうして諸々の身辺の整理を終えたわたくしは、ここまで来て心配性の鬼と化した新侯爵さまであるお兄様に軽く泣きつかれながらも、馬車に乗って目的地に向かって出発した。
『ディアナ=アメティス侯爵令嬢は心労のために1年間地方で療養する』
公にはそう知らされている。
だけど本当は違う。
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