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取り調べ室
団地で逮捕された。おじさん、おばさん達はそれぞれ取り調べ室で、それぞれ同じ事を話し始めた。
「私達は団地で暮らしていました。
とても仲がいい、
まるで家族のような関係でした。
お互いに子供達が巣立ち一人暮らしの方ばかりになってしまいました。
その寂しさを埋めてくれたのが団地の方々です。
お互いの家を行き来したり集会場で、
「お茶会」をしたり、そのわずかなお金はみんなで積立てをしてやりくりをしていました。
そんな関係を崩したのは、
団地の所有者の「石井辰夫」でした。
あの人は私達を騙したのです。」
話しは更に続いた。
「突然「石井辰夫」は団地にやって来ました。
団地の中にある「集会場」に集まってほしい。
そう団地内のアナウンスから聞こえてきました。
私達は集会場に向かいました。
その日から団地の規則が厳しくなっていったのです。
「お茶会」禁止ペットも禁止」
人とのおかずのお裾分け」も衛生面から禁止、
皆で集まってお喋りするのも禁止、
ここは、とてもいい人達ばかり住んでいる団地でペットと一緒に住める唯一の珍しい団地でした。
その後家賃も値上げしました。
私達が生活に困窮していた頃、
「石井辰夫」は来たのです。
そして、言ったのです。」
「皆さんここの団地は老朽化しています。
建て直しいたしますのでしばらくの間、
別のアパートに住んでもらいます。
アパート代は三ヶ月分敷金礼金こちらが出します
さらに、もう三ヶ月分の家賃はもう支払ってありますので六ヶ月そちらで生活してもらいます。
そのあとは工事によってお金をお支払いいたしますので。
でも、この不景気、建て直すにも資金が必要です。皆さんが積立てをしていた資金を全て団地の建直し費用に使いたいと想います。
そしたらいこいの広場や料理教室など、
このような設計になりますね。」
そう言って、完成予定図を私達は見せられました。
さらに、「石井辰夫」は言ったのです。
「でも、今は不況だから資金が足りない。
いくらか援助してほしいと。
私達は皆と一緒に楽しく過ごすため、
貯金のほとんどを「石井辰夫」に託してしまったのです。
ところが、そのお金を持って雲隠れしてしまったのです。
私達はペットの餌代も買えなくなりました。
新しいアパートでは犬は飼えません。
なので、この廃墟団地で飼うことにしたのです。
私達は前の交番にいた警官に、事情を話しました
でも、騙される方が悪いと言って、
話すら聞いてくれなかった。
私達が何度も頼みに行くので、交番の警官は交番から姿を消しました。
私達は独自の方法で「石井辰夫」を探しました。
探偵をやっている娘にも頼んででも、手掛かりはありませんでした。
それならこちらから仕掛けるしかありません。
幸い探偵の娘はテレビにも出てる人気探偵でした
その娘に頼んで、テレビで廃墟団地を宣伝してもらったのです。
「廃墟に幽霊を見た」
そう言って、
そしたらやはり
一番に来たのが「石井辰夫」でした。
あいつは金儲けの事しか考えていません。
高く団地の敷地を買ってくれるところを探していたのです。
廃墟に幽霊なんて事になれば誰も買ってくれない
そう考えて調査に来たのです。
私達は、お金を返してほしいと詰め寄りました。
するとあいつは~。
「騙されるお前達が悪い。
あんな金新しい事業に使ったよ。
交番にも詰め寄ったらしいが、お金を渡して、捜査しないようにしてもらったよ」
そう言ったのです。
私達は許せなかった。
大切なお金をほとんどあいつにとられた。
私達はお腹を空かせた犬に、
あいつを食べてもらいました。
ちょうど当日は団地の一部に穴が空いていました。そこに訓練をあらかじめさせておいた犬にひきづりこませたのです。
そして骨を隠すために地下に骨を隠しました。
その後、娘の「石井京香」が父親を探しに来たのです。犯行がバレた私達は同じように、始末しました。一部の穴は、団地に、住んでいる人しか
知らないので、そこに犬にひきづりこませたのです。その後次々と気づいた若者が、団地を調べに来るのです。
私達が「廃墟団地」「幽霊団地」そのようにしてしまったのがいけなかったのでしょう。
でも、お金を取られてしまったら私達はどうやって
生きていけばいいのでしょう。
だから、こうするしかなかったのです。」
「じゃあ、谷口海君も?」
本部の警官は聞いた
「あの子には済まない事をした。あの子は自首を勧めて来たんだよ。でも、可愛いペット達を飢え死にさせたくない。
だから同じように始末するしかなかった。」
「他の心霊スポットを見に来た子達もペットの餌にしたんだよ。そしてそのペットが残した肉を私達が生きるために食べていたんだよ。
娘の世話にはなりたくなかった。
みんなも同じ気持ちだと思うよ。」
警官は言った。「だからって何でこんな事!」
「人を殺していい事にはならない!」
「本部に言えばいいじゃないか!」
刑事は怒鳴った。
おばさんは言った。
「何度も、ここに来ましたよ。
でも、「石井」にお金を渡されて捜査をしてくれない刑事ばかりだったので、
私達はこうするしかなかった。」
その後本部はテレビで一連の事件の真相と謝罪をして、「石井辰夫」からお金を貰った刑事を解雇処分にした。
完
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