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昔々、あるところにとっても腕のいいハープ職人のおじいさんがいました。
町から町へ旅をしながら歌を唄って聞かせる吟遊詩人たちは、みんなおじいさんのハープを欲しがりました。
楽しいときには楽しい音色を、悲しいときには悲しい音色を思いのままに奏でることができたからです。
でも、おじいさんはもう年を取りすぎていました。
木を削りながら、これが最後の子どもになるって思っていました。
ハープ作りに熱中しすぎて、おじいさんは結婚もせず、子どももいなかったので、ハープを子どもだと思うようになっていたんですね。
手が震えて、目もかすむことが多くなっていましたが、なんとかしてこれだけは完成させたいって思っていました。
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