風のハープ

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「おれの外套を貸してやるから、それに隠して、知らんぷりして出てくりゃいいんだ。だいじょうぶだ。うまくやりゃあいいんだ」  息子に外套を着せ掛けると小さな背中をぽんぽんと叩きました。  仕方なくとぼとぼと通りを歩いていく男の子は大きな外套を着せられて、よけい心細そうに見えました。……
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