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その次の持ち主には心がありませんでした。
だから、なんの風も吹きませんでした。
とても上手なハープ奏者だったんですが、聴いた人たちは何も感じなかったので、地面に置かれた帽子におカネを入れる人はいませんでした。
いつも貧乏で、そのため奥さんに愛想をつかされ、逃げられてしまっていました。
残された小さい男の子を連れて、町から町へとさまよっていました。
わずかなおカネをお酒に変えて、愚痴ばかり言うようなすさんだ毎日を送っていました。
そのおカネも男の子が酒場のお使いをしたり、お菓子を町の広場で売ったりして稼いだものでした。
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