春の嵐

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 しかし、文科Ⅲ類に合格した真璃亜は、外国語学部に進学する可能性が非常に高く、真璃亜はウィーン留学に備えてドイツ語か。或いはパリ留学の可能性も捨てきれない為、フランス語か。また或いは、音楽の専門用語であるイタリア語を専攻しようと既に志望を決めている。 「で、日向。つまりは、この娘!……ってわけか? 今までお前がずっとひた隠しに隠し通してきた、お前の大事な大事な大本命の「年下の彼女」って?」 「さてね」  どこまでもポーカーフェイスの日向に対して、火浦のその一言に真璃亜は途端に真っ赤になって俯いてしまった。  そんな真璃亜の反応に、火浦はひゅう!と口を鳴らした。 「なあ、モノは相談なんだが。日向。この娘、ちょーっと貸してくんない? いい被写体なんだよなあ。今度、写真展(コンクール)があるって話、この前、お前にもしたはずだろ?」 「断る」  真璃亜が口を挟むまでもなく、日向は即座にそう切って捨てた。 「あ、そこをなんとか!」 「君に真璃亜を託したら暗室あたりで何をされるか、わかったものじゃないからなあ」 「あ、ひでえ! 真璃亜ちゃん、こう見えても俺、モデルには絶対、手ぇ出さないから!」
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