月光

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「いいこだ」  日向は正面から真璃亜を抱き締める。  口唇が触れる。  甘い、あまい……熱い口づけ。  そして、そのままベッドへ倒れ込んだ。  日向が真璃亜を見つめている。 「相変わらず、華奢だな」 「え?」 「服の上からでもわかる。こうやって抱き締めれば」  日向が、ラベンダー色の薄いシフォンのワンピース姿の真璃亜を、その大きな両の腕(かいな)で抱き締めている。 「はる…き、先輩……」  確かにそのワンピースは9号だというのに、真璃亜の身にはやや余っている。  つと視線を落とすと 「ここ。もう少し肉付きがよくないと」 「や……!」  日向が真璃亜の胸を、とんとんと人差し指で叩く。  真璃亜はその胸をかばいたかったが、右手は日向に掴まれ、躰は組み敷かれ、身動きがとれない。 「真璃亜」  真璃亜の顔の真上から、日向が真璃亜の名を呼ぶ。 「愛しているよ」  それはもう幾度となく真璃亜にかけられた言葉。  でも、幾度囁かれても真璃亜は胸がどきどきと戦慄く。  何故か泣き出しそうになる。
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