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成績も実技であるヴァイオリンのみならず、一般教養共に主席入学以来変わらないが、それらを鼻にかけたりする態度などおくびにもださない。
故に、178㎝のすっと伸びた長身と柔らかく外へ靡く茶色の髪に、知性を湛えたエキゾチックな彫りの深いフェイス……そんなルックスだけでは到底成り得えない皆の羨望の的となっているのだ。
そう、俺はまごうことなき二重人格。
或いは、精神的サディストとも言えるだろう。
しかし、そんな裏の俺の顔を知る人間は、実に少ない。
俺の逆鱗に触れた奴は陰で徹底的に叩きのめし、二度と俺に逆らったりなど出来ないようにしているからだ。
そうやって俺は、あいつ……小野(おの)真璃亜(まりあ)という生け贄をどう料理しようかと、春休みの間中、謀略を巡らせていた。
春四月。桜の花びらが舞う中、俺は理事長じきじきに理事室へと呼ばれた。
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