親指は隠さないで

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「ちゃんと私への気持ち話してくれないと許さない」 「・・・俺、ずっと、りかのこと好きだった」 「もう私に嘘ついたら許さない」 「もう嘘つかない」 「学校で意地悪したら許さない」 「うん・・・・」 「私のこと・・彼女にしてくれなきゃ許さない・・」 「りかっ!」 一瞬だった 衝動がそうさせたかのように ゆー君が私を抱きしめた あぁ、温かい。いつの間にこんなに大きな身体になって、私の知ってる男の子から ちゃんと体つきも男の人に変わってる。 温かくてとても心地が良い 「俺を、りかの彼氏にしてよ」 「・・・大事にしてくれないと、他の男の人の所行ってやるんだから」 「嫌だ、りかは俺の。離さない・・・」 ずるいよ・・・・ 6年も意地悪して ホントの気持ちの逆を言って 私をからかってた男子が・・・・ 素直になった途端 、好きって気持ちを溢れさせて 私を話したくなくて ぎゅっと私を自分の胸に閉じ込める 何年も好きを閉じ込めてたものが一気に溢れてきて自分じゃコントロールが効かないかように 「りか・・・許してくれる?」 予想してなかった ゆー君がこんなに甘くなるなんて 私はまた、彼に振り回されるんだ 私が振り回してるように見えて、彼に振り回されてる 「キスしてくれたら許す・・・」 「りか・・・」 ほら、そのキスをする顔だってずるい その仕草、表情、あなたの何もかもに 私はこれからも振り回される。 そしてまた彼を許してしまうんだ 悔しいから、あなたのその嘘をつくときの癖は まだ教えてあげない あなたのことならお見通しなんだから だからずっとそばにいてね END
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