親指は隠さないで

｢まじで！お前キモイんだよ〜｣
はいはい

｢ぶりっ子近寄んなっ｣
可愛いく見えるように研究してるからね

｢お前可愛く無さすぎてヤバいな！｣
そう？

｢お前見ると1日やる気なくす｣
またまた〜

｢バカが、うつるから近寄んな｣
小学生か・・・

そういう事を言ってくる時は
｢な、なんだよ！近づくなプス！｣

｢ゆー君、そんなこと思ってないくせにぃ・・・｣
耳元で囁く

そうすると
｢ば！バカやろっ、このいぃぃぃい、いんらん女！｣
そう言いながら真っ赤な顔で逃げていった

彼は私の幼なじみで
嘘が下手な高校3年生の男の子

｢ぶっ、朝から激しいね笑｣
友人の奈未が吹き出している
｢朝からあれはさすがにないでしょよ・・・｣

小さくふーっと息を吐き、逃げるように廊下を走って行く彼を見て今日も1日が始まる