親指は隠さないで

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コンコン 「はい、どうぞ」 「・・・おばさん、俺の顔見たら すぐ部屋に入れてくれたけど、なんか言ったのか?」 「うん、ゆー君が勉強教えにきてくれるから、来たら部屋に通してって言ってあったから」 「・・・お前、可愛い顔して平気で嘘つけるのな」 「嘘つきはゆー君じゃない」 「なにが・・・」 「可愛いって思ってくれてるくせに、わざとブスとか言ってくるし」 「そ、それは・・・」 「私の事好きなくせに、逆のことばっかり」 私が膨れて怒った顔で見上げるとゆー君が 入口で立ったまま真っ赤な顔で横を向いていた 「お前・・・なんでそう思うの」 なんでバレたんだ?なんで隠してたのに! そんな顔。 「私、ゆー君の嘘見抜けるんだー。癖があるんだよ?ゆー君嘘つく時」 「えっ!何?何?どんな?」 バッと近づいてきてラグに座っていた私の両肩を正面から大きな手のひらで包んだ しっかりして骨っこくて。でも温かくて優しい手 「あ・・・」 「あっ!ご、ごめんっ」 パッ すっかり男の手になった彼の手のひらが離れて肩が寒い 「なんだよ、癖って・・・」 「教えない・・・」 ゆー君の右手を私の両手で包んだ 「・・・りか」 初めてゆー君が私を りか って呼んだ
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