親指は隠さないで

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不意打ちに今度は心臓がドキドキして 私が赤くなってしまった 「お前には嘘ついても、バレバレだったんだな」 「うん・・・」 「・・・俺、小さい時からいつもお前と一緒にいるうちに、お前の事気になってきた・・・ お前と仲良くしてたら小学高学年の時に、同じクラスの奴にからかわれたんだ、俺とお前の事」 「・・・・」 ゆー君がちゃんと話してくれている。 嘘じゃない、本音を。 「お前は違うクラスだったから知らないだろうけど、付き合ってるのかとか、好きなのかとか チューしてるんだろーとか・・・からかわれた」 「あ・・・」 ゆー君の手が今度は私の手を包み返した 「中学上がってからも続いてさ。俺、お前が大事だったんだ。す、き、、だったんだ・・・だから 噂されて気まずくなって、お前が離れてくのが嫌だったから。わざと仲悪いフリしたら、からかわれないかなって思って・・・」 「ゆー君のばか・・・」 「えっ」 「私もずっと好きだったから、、そんな噂で気まずくなんてならないよ・・・それよりも・・・ 何年も嫌いなフリ、わかってても辛かったんだからね・・・」 涙がポロポロ出てきた 私は泣く予定じゃなかったのに 今日は余裕なフリして、ゆー君を手玉に取って ・・・そう思ってたのに 余裕なフリをしていたって 嘘だってわかってたって・・・・辛かったから 「好きな人に意地悪されるの嫌だった」 「・・・りか」 「ゆーくん、意地悪しないでよぉ・・」 「ごめんね、あの、これ・・・」 ゴソゴソとスボンのポケットから出して渡された それは何度も『ごめん』の印の お星さまに折られた折り紙だった
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