しゃっくりの怖い噂

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しゃっくりの怖い噂

あなたは小学生の頃、こんな噂話を聞かなかっただろうか。 「しゃっくりを100回したら死ぬ」 僕はこの噂がとても怖かった思い出がある。 小学生の時、しゃっくりが出始めた時は、怖くてドキドキしながら数えていたが、100回に到達するまでに息を止めたり、水を大量に飲んだりと、様々な方法でしゃっくりを止め、なんとか100回に到達することは無かった。 なので大人になった今、自分の娘が昔の僕と同じようにその噂で怖がっているので、改めて噂がデタラメであることを証明することを決意した。 ご存知の通りしゃっくりとは横隔膜の痙攣であり、基本的には時間が経てば治るが、例えばこれからスピーチがある場合など急いで治したい時は、前述した方法以外にも以下を試すと良いらしい。 ・乾燥したパンや砕いた氷を飲み込む ・舌をやさしく引っ張る ・眼球をやさしくこする しゃっくりの止め方に氷や眼球とどういう関係があるのか気になる人は、是非ネットで調べてみてほしい。 それでは本題に戻そう。 しゃっくりが出るのをずっと待ち続けたある日、それはとても晴れた日曜日の午後だった。 近所のスーパーで買ったお肉で、久しぶりに家で焼肉をすることになった。 娘はジュースを飲んだりウインナーを食べ、僕は芋焼酎のロックを飲んだり油の乗ったカルビやプリプリのホルモンを食べて満足していた。 そして・・・ 「ヒック!」 それは突然現れた! 満を持して「しゃっくり」が出てきたのだ! 僕はこの事を娘に伝え、一緒にしゃっくりを数える事にした。 「ヒック!3・・・」 「ヒック!4・・・」 「ヒック!5・・・」 娘は少し怖がり始めたので僕は 「なんにもならないよ〜」 と言って笑って安心させようとしていた。 そして、しばらく娘と二人で数えて50回目のしゃっくりが出た頃、娘が飽き始めてしまい、テレビをつけた。 僕も一応数を数えながら焼酎を飲んで娘がつけたテレビのアニメを何気なく見ていた。 「ヒック!51・・・ふぅ」 そしてさらにしばらく数えて・・・ 90回目となった時、僕は少し大きな声で数えた。 すると娘はテレビを消し、再び緊張し始めた。 「ヒック!91・・・」 「ヒック!92・・・」 秒針の音がかすかに聞こえる以外は無音だった。 「ヒック!93・・・」 「ヒック!94・・・」 「ヒック!95・・・」 娘は更に怖くなったのか、僕に抱きついてきた。 しゃっくりの頻度は7〜10秒毎であることもだんだん分かってきた。 「ヒック!96・・・」 「ヒック!97・・・」 「ヒック!98・・・」 娘が僕を抱きしめる力が強くなった。 「ヒック!99・・・」 100回目のしゃっくりが出る時間も約7秒のはずだが、とてもとても長く感じる。 まるで死刑宣告をされて首にロープを回され、あとは足の板が外される瞬間も同じような気持ちなのだろうと思った。 そして・・・ 次の瞬間・・・ 「ヒック!これで100回〜!ほーら!全然大丈夫でしょー!噂なんてそんなもんなんだよ〜〜!」 と僕は立ち上がり大きな喜びの発声をし、娘は安堵の表情を浮かべ、僕らは満面の笑みで抱きしめ合った。 そして再び娘はテレビを見始め、僕はしゃっくりが相変わらず出るのも気にせずに再び焼酎と焼肉を口の中に放り込んだ。 「美味しい〜〜」 満足感いっぱいの僕は、こうやって昔から気になっていた噂などを証明するのも楽しいなと思い、次は何を試してみようかと考え始めた。 「そうだ!確か、ほくろを数えたらほくろが増えるって噂を試してみよう!そんな噂は絶対にウソだろうけれど、お風呂で娘とやると楽しいかもしれないな」 僕はワクワクしながら娘に説明しようとしたその時 ・・・ ドサッ。 急に何かが落ちたような物音が聞こえた。 娘は音の方向へ振り返ると、僕が倒れていた。 娘はその後すぐに妻を呼びに行き、妻がすぐに救急車を呼んでくれて僕は運ばれたが、僕はそのまま還らぬ人となった。 そして気がつけば僕はあの世にいた。 納得いかなかったので、閻魔大王に聞いてみた。 「僕はなぜ死んだのですか?」 閻魔大王は笑いながらこう言った。 「お前の死因?えーと・・・しゃっくりを100回したからだってさ(笑)しゃっくりを100回したら死ぬって噂を一度は聞いたことがあるだろう?それと、お前はしゃっくりの回数を数えてたみたいだが、途中酔っぱらって59の次を70って数え間違ったんだよ(笑)まぁお前らしい最後だな(笑)ワッハッハッ(笑)」 「・・・」 僕は一つも笑えなかった。 以上です。 読んでいただきどうもありがとうございます。 昔からいろんな噂やガセネタが有りますよね。 何十年も浸透しているものもあるので、証明するのは楽しそうですよね。
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