ヒトは見かけによりませんので

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「ブブ~!ウソは③の、鳥を飼ったことがある、でした!」 「えーっ、絶対ヘビだと思ってたのに~!」 全員が紙を書き終え、自己紹介タイムが始まる。 初対面ながらもなかなか盛り上がりを見せていて、中には地元が一緒だとか好きなアニメが一緒だとかで、思わぬ共通点が見つかりはしゃぐ人たちも見受けられた。僕にも、みんなとの共通点あるかな。期待に胸を高鳴らせているといよいよ自分の番がまわってきた。 「……どうしたの?」 あれほど騒がしかった室内が、とたんに静まりかえった。 僕が提示した紙にはこう書かれていた。 ①人を刺したことがある ②万引きをしたことがある ③ビールを飲んだことがある ④通信簿はオール5で、コメントにはいつも誉め言葉ばかり書かれている 時間にして3秒。時が止まったようだった。 「や…やだなぁ、Aくん。先生の話聞いてなかったの?ウソとホントの数、間違ってるよ」 「そうそう。ホントが3つに対してウソは1つだけだよ」 お調子者タイプのBくんのひと声で、あとに続くようにみんなが口を開く。
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