01 ヒーローはいるかな?

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 セロは、空を見上げて「うーん」と唸った。 「ご主人さま、どうしましょうか?」  オトネが、首を傾げてセロの方を見た。 「でも、戻るのはちょっと恥ずかしいかもだね」  セロが、少し照れながらそう言った。 「そうですますね」  オトネが、ニッコリと微笑む。 「えー。  兄ちゃん戻ろうぜ?  先生には、俺からお願いするからさ!」  元太が、そういうとセロの後ろから女の人の声が届く。 「なら、私がマンションを紹介してやろう」  そう言って女子高生の制服を着た少女がセロの前に現れる。 「あ、先生」  セロは、その少女のことを先生と呼んだ。  少女の名前は、詩空 清空。  神族の象徴である、輪が頭の上に浮いている。 「久しいな!セロにオトネ!」  清空が、そう言ってオトネの胸に手を当てる。  するとオトネも清空の胸に手を当てる。 「成長してませんね」  オトネが、そういうと清空もニッコリと笑う。 「お前も成長していないな!」  そして、何かを確認するかのように抱き合う。 「なにをしているんですか?」  充が、セロに尋ねる。 「僕に聞かないでよ……  あのふたりの友情がそうさせているんだと思うけど……」  その言葉を聴いた清空が言った。 「ふ……  貧乳は正義だ!」  そして、ふふふふと笑った。 「で、マンションって……?」  セロが、話を元に戻した。 「ああ、パン屋の山田があるだろう?」 「あ、はい」 「あそこが運営しているマンションがあるんだ。  そこで、しばらく住むといい」 「そこで、ご主人さまと住むのですか?  私の純情奪われますですますか?」 「それは、主の努力次第だな!」  清空の言葉にオトネが笑う。 「照れますね」  オトネがそう言って顔を赤らめる。
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