01 ヒーローはいるかな?

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 セロがため息まじりに言った。 「照れなくていいよ」  すると清空が言う。 「ため息の多いやつだな。  オトネ、セロの童貞を奪っていいからな?  なんなら、その気にさせる薬を……」  清空が、ふふふふっと笑う。  すると子どもたちが騒ぐ。 「その気ってなに?」  歩が、無邪気な笑顔で清空に尋ねる。 「童貞ってなんだ?  牛丼何個分の価値があるんだ?」 「牛丼で買えたらいいけどね」  元太の言葉に隼人が笑う。  すると愛が隼人に尋ねる。 「隼人くん、童貞の意味知っているの?」 「うん」  隼人は小さく笑う。 「隼人くん凄い!」  歩が笑う。 「隼人は物知りだな」  清空も笑う。 「ってか、先生!  子どもたちの前でなにを話しているんですか」  セロが、再びため息まじりに言った。 「そんなにため息をついているとしあわせが逃げるぞ?」  清空がそういうとセロが答える。 「負のオーラを口から放つことで心のなかにある邪気を吐いているんですよ」 「あー言えばこう言う……  お主のそう言うところ可愛くないぞ!」 「……別に可愛いとは思わないでもらっていいですよ」  するとオトネが、ニッコリと笑う。 「ご主人さまは可愛いですますよ」 「はぁ?コイツのどこが可愛いんだ?」  清空がそういうとオトネが笑う。 「こうやって照れるところが可愛いんですよ。  ついつい抱きしめたくなっちゃいます!」  オトネがそう言ってセロを抱きしめる。 「なにをするんだよ……」  セロの顔が真っ赤になる。 「そうだな、可愛いかもしれないな!」  清空が、そう言って豪快に笑った。 「で、お兄さんは山田さんのマンションに行くの?」  隼人が、そういうと清空がうなずく。 「あ、そうだったな。  話が脱線しまくった。  山田のマンションに住むのなら私が口利きしてやるぞ?」 「お願いします」  セロが、軽く頭を下げた。 「ああ。怪人ひとりを毎月倒せば家賃収入にはなるだろう」 「ありがとうございます」 「いや、気にするな!  では、隼人たちを孤児院に送ったあとパン屋の山田に行くぞ!」 「あ、はい!」  セロが、うなずくと一同は一旦孤児院に向かった。
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