悩み

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悩み

 「人を忘れた奴らが大嫌い」 「悩み事を聞いてやる」そう言ってくれたお前にどうしようもないことを言ってみる。 「わかるよ。俺も人が嫌いだよ」 「黙れよ、お前も同じ人だろ」 「えぇ。それ酷くね?」 悩み話を当たり前にも、聴く側として合わせてくれたお前の言葉を裏切る。別に反抗期じゃないし、批判的な意見がかっこいいと思っているわけでもない。ただ、僕は人の弱さと汚さと本能を、そんな人間的本能を誤魔化す為の言葉も共感も綺麗事も。それが嫌いなだけ。 忘れてしまう人達が嫌いなだけ。  「僕の考えがわからないならいいよ」 「いや、話せよ。安心しろよ、今度は無理に共感しないから。ただお前の、その間違えてるとは言えない考えってやつ、ぶった切ってやるからさ」 指の関節を鳴らしながら、楽しげにそう言うお前は、僕が何よりも求めた、僕と言う思考の敵役になってくれた。
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