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目の前の空き地を前に、思う。
「ここには何があったっけ?」
いつも通っている道のはずなのに、この空き地に何が建っていたのか思い出せない。
でもいつも、無くなってからその場所を思う。
でもだいたい思い出せないまま、日常に霞む。
「無くなってから気づく大切さ」なんて、そんな大層なものではないけど、確かにこの場所にも気づかなかった日常があり、そしてまた新たな日常に塗り替えられていく。
時間の流れの目まぐるしさと無感情さに、ひとり勝手に行き場を無くして鼻を啜る。
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