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「でも何で急にあかりが出てくるわけ?」
「沢村って、よくポニーテールしてたじゃないですか」
「そうだっけ?」
ひょっとして以前適当に言った“理想の彼女像”の話だろうか。でも、あんなの、ものの弾みで出た言葉だった。恋愛というものに憧れていた頃の、実のない夢物語。
「あいつともキスとかしたんですか?」
「ば、ばか。してない! てか、そんなこと訊くなよ恥ずかしい」
これ以上キスの話なんかしないで欲しい。もともと直人はあんまり恋バナとかするタイプではないし、まして片思いしている相手と話したい内容じゃない。頬が止めようもなく熱くなってしまうのが自分でも分かる。
「ていうか、お前こそどうなんだよ。二日前に告白されてたじゃん」
強引に話の矛先を向けると、静はあからさまにむっとした顔をした。
「そんなことありませんでした、って……いい加減、しつこいですね。俺のこと好きな男なんていませんよ」
「んなわけねーだろ」
「いたとしても、俺には関係ない」
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