七月十一日 木曜日

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 ベッドに横たわり、うとうとしてからふと目を開くと、ウィルになって静の部屋にいた。もう今さら驚いたりしない。きっとまたウィルになるだろうと、覚悟していた。  手足は今まで同様、鉛で出来ているかのように重く、思うように動かない。  それでもどうにか転がり落ちるようにしてベッドから下りて、いつも猫たちや静が行き来している窓の方へ近づく。  直人の部屋の窓際にはベッドがあるが、静は学習机を置いていた。まずは背の高い椅子に飛び乗ろうとするも、痺れた身体では上手くいかない。  何度目かのチャレンジをしようとしたとき、ドアが開いて静が入ってきた。 (静!)  必死に自分が直人であることを知らせようとするが、口からでるのはにゃあにゃあという甘ったれた鳴き声だけだ。  その上静は心ここにあらず、といった感じで、どことなくぼんやりしている。  この分ではいくら訴えたところで伝わりそうもない。諦めてもう一度椅子に登ろうと試し始めた直人を、静はわしづかみにした。 「ニャッ!」
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