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無言でこちらをガン見してくるイケメンの圧力に耐えることしばし。ようやく満足したのか、静は広い背を反らして伸びをした。
「それで、昨日もやっぱりあんたは寝ている間にウィルになったんですか?」
首を回しながら尋ねてくる静は、心なしか動きがいつもより鈍い。この後一睡もしないまま学校へ行くことになるのかと思うと、自分が強いたことではないとはいえ、申し訳なさが募る。
「う、うん。気づいたらウィルになって静の部屋にいたから、とりあえず自分の身体がどうなってるのか確かめようと思って。おれの部屋に戻ろうとしたんだけど、何か静、ぷりぷり怒ってて、行かせてくれなかったんだ。なぁ、昨日、お前怒ってた?」
「怒ってない。そもそも昨日は俺ここに居てずっと先輩のこと見張っていました」
「だよなぁ……」
肩を落とすと、キィ、と微かな音を立てて扉が開いた。細いドアの隙間から入ってきたのは愛猫のクロだった。ベッドの上に音も立てずにのぼり、直人の手の平に額をこすりつけてくる。
「起こしにきてくれたの? ありがとな」
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