七月十二日 金曜日

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 今日はテスト週間の最終日だ。直人は基本的には真面目な生徒なので、いつもなら期末テストなんて大したイベントではない。しかし、今週はウィルになったり、片想いを自覚したり、自覚した相手となぜかキスをしたり(!)と、激動の一週間だった。当然、直人はとても疲れていた。  ホームルームはほとんど聞き流してやり過ごし、テスト後の部活もいつもより手を抜いてこなした。三年生の先輩たちは最後のインターハイを控え、ピリピリしていたけど、今日ばかりは無理。もう限界。  家に帰れば、明日からは週末で、ようやく休みだ。 「じゃあ、また来週」 「あぁ、またな」  優は少し迷っていたけど、憔悴した級友をそっとしておくことに決めたらしい。着替えを終えると、早々に部室を後にした。  直人も早く帰りたかったけど、自分のせいで完徹する羽目になった後輩を置いていくのは気が引ける。部室の隅にしゃがみこみ、携帯電話を弄りながら待っていると、そう待たされることなく静が現れた。 「橋本先輩、お待たせしました」  汗で湿った髪をかき上げる静は、一睡もしないままテストを受け、ハードな練習もこなしただけあって、疲労の色が濃い。
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