七月十二日 金曜日

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「アイツが来るんだろ、お前に告白してたヤツ……!」  自分でも完全に言いがかりなのは分かっていた。だけど、どうしても問い詰めずにはいられない。  自分自身でも気づいていなかったが、直人はずっと傷ついていた。静が告白されていたことも、その告白がまるでなかったかのように、静が振舞うことにも。  片想いしている相手が、告白した相手を蔑ろにしているのは、自分がされているみたいに悲しい。 「だから、そんなヤツいないって言ってるだろ! いい加減に信じてくれよ!」  怒声をあげた静が、拳を近くにあった机に叩きつける。上に置かれていた瓶がガシャン! と派手な音を立てた。耳障りな反響は余計に頭に血を上らせる。  直人は静の腕を掴んで詰め寄った。 「だって見たんだ! お前こそ、おれの言うこと信じてないじゃないか!」 「信じてる! だからこっちも必死で解決策を探してるんだろ!」 「じゃあ何で嘘つくんだよ! アイツのこと、庇ってるのか!?」 「アイツって誰だよ! もういい加減にしてくれ!!」
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