七月十三日 土曜日 エピローグ

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 パニックになっている静を背に、ドアを閉める。そのきっかり一時間後、身だしなみを整えた静が直人の部屋に乗り込んでくるのだけど、その直後に直人の母に昼食に誘われ、何となくふたりの間に漂っていた甘酸っぱさはうやむやの内に掻き消えた。  そして、その夜。 「あー!! うるせ!! うっせぇ!!」  静と、心配をかけた親友の優と、それからただ面白がっていただけなような気もする篠塚にも一応、ウィルになっていた事件の顛末を話した。当然のことながら、直人が静に告白したことも、また静も直人のことが好きだったことにも触れないわけにはいかない。  やさしい級友はしどろもどろの直人の報告を聞くと、電話ごしに声を弾ませ、心から祝福してくれた。しかし性格の悪い後輩は通話が終わってからも、直人をからかい続けている。 『っていうか逆に今まで付き合ってなかったんですか?』『付き合わずにあの距離感?』『しかも、好きだったって自覚もなかったって、どんだけ鈍感なんですか?』 「だぁっ! 逆に何で俺たちが付き合ってたって思うんだよ! 意味わかんねー!」
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