七月九日 火曜日

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「何だよその目は。おっぱいが大きくてポニーテールが似合う子が嫌いな男なんてこの世にいないだろ。お前みたいなモテ男にはわかんないかも知れないけど、おれからしたらおれのことを好きになってくれる子なんて、その時点で世界一性格もいいに決まってんの!」  熱く主張すると、静は低い声で呟いた。 「俺は胸がでかくてポニーテールが似合う女、世界で一番嫌いです」 「えぇぇええ嘘だろお前ショートカット派!? お前とは一生分かり合えないわー」  軽く冗談で言ってみたものの、静は顔色一つ変えないので、つい油断してしまった。ほとんど無表情のまま直人の肩に手を回し――……、 「く、苦しい!」 「いやもう、いくらなんでもこのくらいには値すると思うんですよ」 「ショートカットディスっただけでチョークスリーパーキメられんの!? 嘘うそ、おれもショートカットで内腿のやわらかそうな女の子大好きです!!」 「………………」 「何で余計に力込めんだよ!」  バンバン腕を叩いて訴えると、暴力的な後輩はギリギリ直人の意識が落ちる寸前に手を離してくれた。 「信じらんねぇ! 誰だよこのドSにプロレス教えたの!」 「あんたでしょうが」
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