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ふたりでかばんを持って教室を出てから、顔を見合わせた。
「どっか人気のないところがいいよね?」
「……そうだ、体育館は?」
テスト期間の今、部活動はどこも休み中だ。よほどの物好きでなければ、体育館に来ないはず。
そう思って急ぎ足で体育館へ向かったのに、果たしてそこには物好きが複数人いた。勉強をしなければいけない期間だからこそ、身体を動かしたくなるのだろう。どこから取り出したのか、思い思いにボールを投げたりラケットを振り回したりしている。
その中でもひときわ目立つ、長身のふたりが目に飛び込んできた。
「あれ? 遠野と篠塚じゃない?」
バスケットゴールの真下で静と篠塚が競り合っていた。ふたりとも制服を着たままで、静の手には当然のようにバスケのボールがある。
「何してんの?」
驚いてコートに近寄ると、はっと気づいた静が動きを止めた。その隙にボールは篠塚の手にさらわれ、ライン外までドリブルで運ばれた。
その場で軽くジャンプしてシュートしたボールはきれいにリングを通り、バウンドするそれを苦い顔をした静が拾う。
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