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Welcome to THE ROOM.
目が覚めると、真っ白い部屋の中にいた。広さは6畳くらい。床も壁も天井も真っ白で、目がチカチカするほどのまばゆさだ。
「……おい、起きろよ」
隣に倒れていた友人の内田に声をかけると、うう、と唸りながら体を起こした。
「ここどこ? 俺たち何してたんだっけ」
「居酒屋に行って、その次どこ行こうかってぶらぶらしてたのは覚えてるんだけどさ……気づいたらここにいた」
壁には真っ白なドアが1つだけあった。けれど、ドアノブは動かない。
「あ」
ドアの下の隙間に紙が挟まっている。これも真っ白い紙だからいつからここにあったのか分からない。とにかく拾ってみると、シンプルに一行書いてあった。
『嘘をつかないと出られない部屋』
よくわからん、と思っていたら、内田はなるほどと頷いて、
「たまに二次創作のイラストで見るやつか。キスしないと出られないとか、エッチしないと出られないとか、どちらかが死なないと出られないとか、そういう脱出ミッション系の部屋だな」
「世の中にはそんな恐ろしい部屋があるのかよ……嘘つくだけで出られるならイージーモードだな。良かった良かった」
脱出ゲームとか謎解きは好きだし。適当に嘘をつけば出られるなら楽勝だ。
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