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「いや、いいんだ。母さんに元気になってもらいたいんだ。……そうだ! 遂に! 遂に捕まったんだ、魔女が! 母さんの病気を流行らせた魔女が!」
「本当に? それは良かった。病気が治れば働ける。お前にも苦労をかけないで済む。本当に、本当に良かった。司祭様たちのおかげだね」
母に伝えると、涙を流して喜んだ。それを見ていると、俺も母が病になってから今日までの半年の辛かった日々を思い出した。「やっとだよ」と呟くと俺も安堵で目頭が熱くなった。
「でさ、その魔女の処刑が今日西の広場であるんだ。見に行ってきてもいい?」
「そうだね。母さんは体が辛くてついていけないけど……」
「母さんの分も魔女の死にざまを見てくるよ」
そう言うと母は大きく頷いた。
「少し暗くなってきているから気を付けて行ってくるんだよ」
そして俺は家を飛び出して、西の広場へ向かった。
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西の広場は人がごった返していた。当たり前だ。許されざるあの魔女が殺されるのだ。皆見たいに決まっている。
人ごみを掻き分けて、最前列にたどり着くとこの町の三人の司祭様の一人がたいまつに点けられた神火に祈りを捧げているところだった。
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