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三笠には好きな女の子がいる。
可愛くてハキハキとして明るい、同じクラスの遥という女の子だ。
クラスの人気者で、時折三笠にも笑顔で話し掛けてくれた。
奢った事のない女子で三笠にこんなに話し掛けてくれる子は、他にいなかった。
しかし遥には付き合っている彼氏がいた。
オープンには出来ないでいたが、先輩であり生徒会長の咲哉だ。
優等生で美男子、スポーツも魔術も常にトップクラスの咲哉には数人彼女がいるが、遥はその中の1人だった。
ある日咲哉は高等部の先輩と酒を飲んでいた。
日頃のストレスからか、最近の咲哉は酒に酔う事を好んでいた。
深夜、先輩達と強か酔って歩いていると、小学生位の女の子が道端で泣いている所に遭遇した。
「どうした?こんな時間に」
と咲哉が話し掛けると、女の子は泣きはらした顔を上げて、酒の臭いに
「お兄ちゃんたち臭い。あっち行って」
と呟いた。
激昂した4人の少年たちは少女の腕を掴み、人気のない河原まで飛んだ。
少女は離して離してと喚いたが、あまりに非力であった。
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