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高校生たちが少女を立たせて押さえつけ、咲哉は真正面に立ち何やら唱えると、右手に大きな鎌を出した。
「おい糞餓鬼!さっき私に言った台詞をもう一度言え!」
端正な咲哉の顔に、薄ら笑いが浮かんだ。
少女はガチガチと歯を鳴らしながら、涙腺を崩壊させた。
「言え!早く言わないと痛い思いをする」
そう言った途端、咲哉は鎌を振り下ろした。
闇に少女の悲鳴が響いた。
翌日のニュースでこの事件は大々的に報道された。
家出少女の片方の翼が切られ、少女は瀕死であり入院中と。
朝のニュースにちらりと目をやった三笠は
「酷いな」
と一言放ち、朝食を食べ始めた。
母連夜はニュースを食い入るように見ていた。
その日の夕方三笠は遥に呼び出され、校舎裏で待っていた。
憧れのクラスメイトに呼び出され、まさか両思いで告白とか……有り得ない有り得ない!と首を振ったり、三笠は緊張やら期待やらで胸が一杯だった。
気配に気付いて目をやると、遥が近付いてきている。
相変わらず可愛い姿に、三笠はうっとりと見とれた。
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