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釈放の決まった三笠の元に、翼青年が訪れた。
急な来訪とあって、周囲は仰天して案内し、応接室で王子と2人きりとなった。
「明日釈放だそうだな?良かったな」
翼青年の言葉にしどろもどろになる三笠に、翼青年は穏やかに言った。
「母をもっと大切にせよ。父ももっと大切にせよ」
その言葉に三笠の体はピタリと止まり、翼青年を見ると、翼青年はじっと三笠を見ていた。
「真犯人の咲哉が先程捕まった」
翼青年の言葉に三笠は驚きを隠せない。
「えっ!生徒会長の?」
「そうだ」
三笠は少ししてから、大きな溜め息を吐いた。
「俺……どうしたら……」
翼青年を再度見ると、やはり目が合った。
翼青年の視線は動いていない。
「母をもっと大切にせよ。父ももっと大切にせよ」
そう同じ言葉を言ってから立ち上がり、翼青年は退室した。
途端、三笠の目から涙が溢れた。
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