償いの1歩目

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翼族が大半を占めるこの星の片隅に、連れ子である三笠という中学2年生の男子と、その母連夜、義理の父である猿楽の3人家族がいた。 三笠は運動も勉強も魔術も中くらいであったが、生前の父親を忘れられず、猿楽に反抗的な言動を繰り返し、自ずと性格が斜めになっていった。 学校でも素直になれず、孤独な立ち位置にいた。 たまに同級生と会話をすると、自らを誇示したがり、見栄を張り、物事を大きく言ったりしてアピールしていた。 「うちは金あるから、俺がご馳走してやるよ」 と中流家庭にも関わらず、学校帰りに皆に奢ったりして気を引こうとするが、返って見栄っ張りな言動が嫌味に聞こえて、陰口等を言われる塩梅だった。 帰宅するとしたで自室に籠り、猿楽と目も合わせない。 連夜はそれを心配し 「多感な年頃だから許してあげてね」 と頭を下げる日々だった。 「母さん、金ちょうだいよ」 その言葉に連夜は 「2日前にあげたばかりでしょう?もうないの?」 と驚くのもよくある事で、母から金を貰っては同級生達に飲み食いさせていた。
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