生きる私の奮闘記

7/10
前へ
/10ページ
次へ
気にしてない。いつもの事。そう考えてきた。 私にとっての普通は朝学校行くと机がなくて、毎日いじめられて、罵倒され続けて。それに耐えて耐えて。家に帰って一息つく。それが私のふつう。 そう考えてきた。 「大丈夫。私はやつよくなれた。」 机を吹き終わり少し微笑んだ。 私は変わったんだ。 頑張れ自分。頑張れ。心の中でそう声をかけながら自分の机を持ち上げ教室まで運ぶ。 私は学校につくのが大体いつも1番だ。 あいつらをのぞけば。 そのくらい早い時間から自分の机を毎日隠して。よく飽きないなぁ、 自分の席につくと大きなため息が出た。 疲れからじゃない、呆れただけだ。 短くなった髪をまた撫でて勇気を貰う。 ショートカットは私の中で最強だったんだ。 あいつらはまだ帰ってこない。みんながぞろぞろきたころにあいつらも混じってくる。何事も無かったかのように。でも私は知ってる。私の机を隠すのも私のことをいじめて授業中に罵倒するのもアイツらだけだ。周りはそれを見て見ぬふりをするだけ。 もう慣れた。 1人の足音が静かな廊下にひびきわたる。 ゆっくりゆっくりこの教室に向かう足音。 突然ピタリと聞こえなくなりガラガラと扉の開く音がした。 一人の女の子が私の髪を見て唖然としている。 そりゃそうだろう昨日までロングヘアだったのだから。彼女は私の髪が好きでいつもお人形さんみたいだねと褒めてくれていた。でも私がいじめられたら離れていった。そんな人だった。 「教室はいったら?いつまでそこにいるの?」 私は彼女のことが好きでも嫌いでもない。ただ。流されやすい人だとは思っていた。 「あ、えっごめん。髪切ったんだ。」 その反応。すると思っていた在り来りな反応。 「切られたがただしいかな、」 「あいつらに?」 「うん。」 「そっか。見て見ぬふりばかりでごめん。逆らうのが怖くて、それで」 「べつにいいよ。なんとも思ってない。」 「そっか。ショートのほうが似合ってるね」 私を横目にみて席に着いた。 どうせまた仲良くなっても裏切られることを知っている。 だから必要以上にかかわらない。この学校の人とは。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加