生きる私の奮闘記

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「うん。当たり前でしょ。はるとがいなくなったら寂しくてお姉ちゃんが泣いちゃうかも。」 そういってへへへ。と笑って見せた。 「お姉ちゃんが寂しくならないようにするからね。泣かないでね」 何歳も年下の子にここまで元気づけられたらもう、耐えるしかない。 この先の未来が明るいとは限らないけど、はるとがいたらなんでも大丈夫。そんな気がしていた。 「僕ね。夢があるんだ。」 「どんな夢?」 「僕ね、お姉ちゃんと結婚するの!お空の上で!」 自慢げに話す。すごく可愛くていとおしかった。何も知らない純粋な目をして、輝いていて。 この子を私が守りたい。そう思っていた 大好きでたまらない人。心が落ち着く人。なのに世の中は残酷で。将来がない子がいる。 「そっか。じゃあお空に行ける日を楽しみに待ってようかな。お空の上で可愛い子がいても目移りはしちゃダメだよー?」 冗談ぽくいうとはるとはすこしほっぺたをふくらませた 「お姉ちゃんがいいの!」 誰かに必要とされている。すごく幸せでたまらなかった。 でも。この幸せは長く続かなかった。 いつかはこの日がくる。覚悟はしていた 今日も酷いいじめに悩まされた。 黒板にありもしないことを書かれたり、変な噂を流されていたり、でもはるとにあえる。そう信じて一日を乗り越えた。 コンビニによってアイスをかってはしってはるとのもとへ向かった。 305!305!! 呪文のように唱えながら院内を軽々と進んでいく 「はーるとっ!」 ドアを開けるとそこには重たい空気が流れていた。 ピーと響く心電図の音。親御さんのすすり泣く声、院長の残念そうな顔。 ああ。完全に察してしまった。私は間違えてしまった。きっと、部屋を。 何度も確認した。何度も何度も。でも305号室。はるとのなまえもあった。 膝から崩れ落ちて大声で泣きわめいた。 それに気づいた親御さんが私の近くに来てくれた。 「久しぶりね。こんな形でお会いすることになるなんて、本当になんていっていいか」 母親はハンカチで涙を拭いながら私に話しかけてきた。 仕事が遅くて面会時間ギリギリに毎日来ていたらしい 「あら。それ。はるとの好きなアイス。買ってきてくれたのね。ありがとう。はるとの横に置いてあげて。」 そういって手を差し伸べてくれた。 ゆっくりと立ち上がりノロノロと歩きだした。 うごかなくなったはるとは綺麗な顔をして天国に行ってしまった。 「長谷川さんでお間違いないですね」 院長は私の顔を見るなりそう言った。 「え、はい。」 返事をすると院長は微笑んで 「これ。はるとくんからです」 そういって1枚がわたされた 見てみるとドレスを着た女の子と、となりにタキシードの男の子がいた。 「これはお空の上での結婚式だそうです。無くなる直前もお姉ちゃん、お姉ちゃんっていって。これはお姉ちゃんに。って言ってました。受け取って上げてください。」 院長の言葉に再び涙が溢れ出てきた。 はるとの頭を撫でた。まだ温もりがある。 「はると。ごめんね。最後に会えなくて。ちゃんと来たよ。お姉ちゃん今日の学校の話しに来たよ。今日はね。」 全部話したはるとに全部。嘘偽りなく。 辛かったこと苦しかったことそれでもはるとのために耐えたこと。 全部伝えて手を握った。 「はると。ありがとう。お疲れ様。そして、お空でもうちょっとまっててね」 そう残して家族に頭を下げた 「私は必ずお空に行った時はると君を幸せにします。」 母親はクスリと笑いお願いしますとかすれた声で言った。
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