かみさまがたすけてくれた

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 「おぉー神よ!! 私に、私に恵を……水を与えてください」  今私は、ドバイにある砂漠のど真ん中でうつ伏せになって倒れている。  一人でもがき苦しみ、救助を待っているが一向に助けは現れない。  申し訳ないが、何で日本人の私が砂漠のど真ん中にいるかの説明は割愛させてもらおう。  「くっ、神よ……私が悪かった……助けてくれ……」  【シュピーン!!】  突然何かが登場する効果音が鳴ったので、私は首だけで上を見た。  すると目の前には、一人乗れるぐらいの小さな雲に乗った老人がいた。  「バッカモーン!!」  杖を持ち、禿げた頭の上に天使の輪っかが付いている老人はいきなり怒鳴り散らした。  風貌は神様だが、態度はただの頑固じじいである。  「あなたは神様ですか?? たっ、助けて下さい……」  「如何にもワシは神じゃ!! おい女!! 助けて欲しければ真実を言うんじゃ」    「しっ、真実……」  「そうじゃ。何故お主はこんな砂漠のど真ん中におる?? 理由があるじゃろ」  この老人、いや、神様は全てを知っているのか??  その上で私を試しているんだろうか……  「わっ、私は……道に迷って……それで……」  ダメだ、嘘をついてしまった。  上手い言い訳が思いつかない。どうすれば……  「ふむ!! 飲み物をさずけよう!!」  「えっ??」  「これを飲むがよい」  神様はどこからともなくペットボトルを取り出した。  中には黄色い液体が入っている。  「これはいったい……」  「これはジュースじゃ。お主は嘘をついたから水はやれん。代わりにジュースならくれてやる」  やはりこの人は本物の神様だ。私がなぜ砂漠にいるのかを全て知っている。  しかし全てを知った神様は、水こそくれないがジュースをくれる優しさを見せてくれた。  ありがとう神様。  【ゴクゴク】    私は神様から受け取ったジュースを勢いよく飲んだ。  ジュースは何かちょっと臭いけど、私の渇いた喉を潤してくれた。  「プハーッ!! ありがとう神様!!」  「美味しかったなら良かった。よければもう一杯飲むかい??」  「欲しい!! 飲みたい!!」  私がまだ水分を欲している事を気付いてくれた。  流石神様だ。ありがとう。    「ちょっとだけ待っておれ。今出すから」  神様はそう言うと、私に見せないよう後ろを振り向き、空になったペットボトルに何かを注いだ。  【ジョボジョボジョボ】  あっ、これってもしかして……  「はい、お待たせ。ワシの特製ジュースじゃ」  私は神様に嘘をつかれたーーー  《完》        
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