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帰りのバスに乗って、藍高に戻った。
隣のタチバナは、まだ不機嫌そうな顔で、車窓を流れる景色を見ている。
まあ、気まぐれな人だから仕方ない。
「アメちゃんなめる?」
あたしは、後ろの席の、リンゴちゃんとコハクを振り返った。
「あ、はい、ありがとうございます!」
「それでどう? シナリオ、書けそう?」
「なんとか、がんばります」
あたしはリンゴちゃんの手のひらに、アメちゃんをふたつ、ポトリと落とした。
――ん?
なんだかリンゴちゃんのほっぺたが赤いみたい。
コハクも下をむいて、ソワソワしている。
もしかして、ふたり、いま、手えつないでた?
ああ、この子たちも、何かあったのかもしれないな。
あのゴーストペンションで。
(おしまい)
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