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タチバナがククク……と笑うと、くっついているあたしの体にも響いて、あたたかく振動する。
「みそらがなんか、強がってるみたいだったから。
ちょっと様子、見とこうと思って」
「よ、様子?」
「うん。面白いかなあと思って」
「なによ、それえ」
どうやら、からかわれていたらしい……。
「ねえ。あたしのこと好き?」
「ん……」
「じゃあ、あたしのどこが好き?」
タチバナが、あたしのくちびるを指でさわった。
ゆっくりと甘いキスをされて、あたしはトロンとしてしまう。
……ずるいよなあ……。
くちびるを離すと、タチバナは目にいっぱい笑みを含ませて、
「とりあえず、みそらのくちびるは好きだよ。エロイと思う」
「はっ……」
「あとカラダ?」
「ナヌッ?」
「……小さい手。おでこのはえぎわの産毛。首のほくろ。
ぜんぶ僕のものにしたいと思ってるけど」
ええっ。
……やっぱりずるい。
そんなふうに言われたら……。
熱くなった首の、ほくろのあたりを、タチバナのしなやかな指が、くすぐるようになでてくる。
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