あのゴーストペンションで

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* あたしとタチバナ、リンゴちゃんとコハクの四人は、ペンションの玄関前に、一列に並ばされた。 作業服にヘルメットのおじさんが、いかめしい顔で立っている。 このおじさんは管理会社の人だったらしい。 ペンションを取り壊すことになったので、下見に来ていたという。 「お前ら、藍高(あいこう)の制服だな……」 「はあ……」 「空き家だって、住居侵入罪になるんだがんな」 「ごめんなさい……」 あたしたちは、ショボンとうなだれて謝った。 おじさんは、わざとらしいくらい大きなため息をついて言った。 「まあ、裏口を開けっぱなしにしていたおじさんも悪がったがらない。 反省してるようだし、今回は見逃すけども。 もっと健全で、文化的な遊びをすっごとだな!」 よかった……。本当によかった。 高校とか、親とかに通告されたら、やばかった。 演劇部だって、ピンチだったかも。助かったあ。 「おじさんココロ広い。大好き!」 思わず快哉を叫ぶと、タチバナが、あたしのひじをチョンとつついた。 見あげると、すごく冷たい目をしている。 さっきまであんなに優しかったのに。 えーん。なんで? 哀しいわっ。
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