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3 . 第一の弟子
薄目を開け、淳子ちゃんを見た。
『 どう見ても、まじめにお祈りしてる。
自分だけが馬鹿を見る!
自分だけが地獄行きだ! 』
次々に、名前が呼ばれた。
それぞれ、パンと飲み物を選び、各々の部屋へ。
が、ジャンケンした仲間は、誰も呼ばれず。
『 やはり、わかるのだ。
すべて、見抜かれている。
みんな、地獄行きだ !』
いつの間にか、ぼくと淳子ちゃんだけに。
いつもなら「 はい、残りの人 」となる。
が、天使はステージを降り2人の間に。
「 少しもお祈りしてませんね。
お二人とも、どうされたんですか?」
心が破裂した。
「 許してください、許してください 」
ぼくは、泣きわめき、すべてを告白した。
「 地獄に、落とされるんですか?」
「 天のお父様に、お祈りなさい。
ただ、ひたすら、お祈りなさい。」
淳子ちゃんは、床に、崩れ落ちてた。
体が震え、泣き声すら出ない状態。
天使は、優しい笑顔で、語りきかせた。
『 疑う不幸、信じる幸福 』について。
部屋に戻った。
悪ガキ仲間が、真っ青な顔で駆け寄る。
ぼくは、みんなに、告げた。
「 すべてを、副園長先生に、告白した。
みんなの名前は、言ってない。
でも、先生は、すべて見抜いてる。
告白し、ひたすら祈るしかない。」
『 天使の、第一の弟子 』
ぼくは、いつの間にかそんな気に。
「 ヒック、ヒック 」
と、淳子ちゃんは、まだ、ひきつけ状態。
まともに口もきけない、ありさま。
( 『 4.天使の贈り物 』に続く )
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