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会社勤めの男性とフリーのwebデザイナーだという白い花の人、彼らは養子縁組という名の婚姻を済ませたパートナーだという。
二人の手の中で光る指輪が強く結ばれた絆を思わせて何故か胸が熱くなった、後から思えばその時覚えた熱の正体は憧憬だったのかもしれない。
「いい人達だったね」
「あんなにぼくの絵を喜んでくれる人も珍しいよ」
セリの作風が変わったと言う彼曰く、最近の作品は特に"愛"を感じるのだそう。それを聞いたセリはもっと意見を聞かせてくれと言い出し、意気投合した二人は暫く話込んだ。しかも余程気が合ったのかむつみを助けた礼の意味も込めて、彼が気に入った作品を一つプレゼンする約束までしたのだ。
「物凄く恐縮してた、でも本当に嬉しそうだった」
「大事にしてくれる人のもとに送り出せて良かった」
帰りにタクシーの車内で指を絡めて手を繋ぎそんな会話をする、時折りセリが指の間を擽るからこそばゆい。
多くの人と会った後のセリは疲れも手伝って少し気落ちしている事が多いけれど、今日に限っては微かだが表情も明るくてどこか浮き足立っている。彼らとは何かこう不思議な縁を感じてせっかくだからと各々連絡先の交換をし、むつみには至っては白い花の人と近々会う約束もした。問題があるとすればセリも同行すると言い出すだろうなという事、そうなればもういっその事ダブルデートにでもしてしまおう。次の約束があるというのはいい、外との繋がりを感じるから。
部屋に辿り着くと玄関の扉を閉めるなり背後から抱き着いてきたセリへ後頭部で擦り寄る、すると身を返されて直ぐさま唇を食まれた。壁際に追い詰められて次第に深くなる口付けを享受する、頬を包む手の感触も、吐き出す熱い吐息も、シャツを引き抜く荒さも、布擦れの音さえ全てが快感と引き結ばれる。
「どうした、きんちゃん……」
「んー…今日は甘えたい気分」
「いつも甘えてるだろ」
大きな身を屈めてぐりぐりと首筋に懐くセリの頭を掻き撫でると、引き出した裾の下からひたりひたりと手が忍び込む。その手は腰を揉み背中を這い上がって肩甲骨の形を確かめる様に撫でた。
「いーい?」
「待って、準備……」
「いいよ、お風呂一緒に入ろー…手伝うよ」
「嫌だよ恥ずかしい」
「ん、恥ずかしい所も全部見たいの」
廊下に落としたまま放って置いたら皺になると抗議したけれど、スーツをハンガーにかける暇さえ許してもらえず性急に服を剥ぎ取られ風呂場へ押し込まれる。なし崩しに後ろの窄まりを解されて足腰が立たなくなると、嬉々として世話を焼くセリに身を任せる他無くなった。全身を拭き、ご丁寧に髪まで乾かされ、その後直ぐにベッドへ直行する。ペットボトルの水を飲まされたけれど、上手くいかず溢れた水が肌を伝えばセリはそれを美味そうに舐め上げた。胸の尖を嬲られて腰が浮き、昂る互いのものを擦り合わせると下腹部に重い熱がぐっと集まり溜まる。
「……むつみくん、怖い?」
「ん、ぁ、っ……こ、わくない、」
「大丈夫?このままきみの中に入ってもいい?」
「……んぅ、だいじょうぶ、……きんちゃ……んッ、でも、ちょっと待って、みたいッ……見たい」
「……え、は!?見たい?ぼくのちんちん見るの?」
起き上がりたいと手を伸ばすとセリはそれを受け止めた。引っ張り上げられ息も絶え絶えにベッドの上でぺたりと座り込むと、向かいで膝を着いたセリが身を屈めた。その股座には立派に張り詰めたものが聳り立ち、むつみは熱い息を吐きながらそっと指を伸ばす。
「ッ、ちょ、どうしたのむつみくん……積極的だね、可愛いー……舐めてみる?」
「ん、ッ……」
「うっそ、どうしよう、本当にやるの……ぅ、」
誘い言葉に釣られて背を丸め、言い出したくせに驚きを隠せないセリの両太腿に手を這わせ、昂りの先端に舌先をそっと触れる。ちうちうと何度も口付けるとセリの体がぶるりと震えた。
「あー…、可愛い。直ぐに出ちゃいそうだよ……ね、咥えて見せて」
「……ーあ、ん……くッ」
髪を掻き撫でる手に力が篭り後頭部をそっと押される。大きく開けた口内へ長大ないものが侵入した、舌て裏筋を狙って撫でれば屹立の先端が上顎を擦る。上から落ちてくるくぐもった短な声と、淫靡な水音が耳を犯した。何度か出入りを繰り返したセリの昂りは、むつみがえずくとずるりと引き抜かれる。
「……はッ、はっ、んぇ、……ッ」
「むつみくん無理しなくていいんだよ」
「ちがう、無理なんかじゃない……きんちゃんだから、したい」
「ぼくだから?」
「きもちよく……なかった?」
「すっごく良かった、もう少しで顔にかけちゃうとこだった」
「そ…か、へへ、良かった」
セリの鈴口から溢れた先走りと混ざる涎を拭い、脱力して笑うとまた両頬を包まれて熱い口付けを送られた。
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