穴があったらはいりたい

偕老同穴の誓い

可愛い、可愛い、可愛い、心を許してくれたきみが可愛くて堪らない。

気持ち良いの一緒だねと言えば潤んだ瞳でこちらを見上げてこくりと頷く。抱き寄せ尻を割って柔らかくなった窄まりをやわやわと触り、皺を伸ばして指を這わす。焦らしていると思ったのだろうか、かぷりと肩を噛まれた。指を一本ずつ差し込んで、苦しくないようにもう一度ほぐしてやると断続的に愛らしい声が沢山漏れひんひんと鳴く。むつみの屹立も健気に立ち上がり、鈴口から止めどなく溢れる透明な汁が彼の興奮を教えてくれる。

「一回出しておこうか、苦しそうだし」
「……ぇ、あ、や、や、きんちゃん！や、らッ」

屹立を手で包み擦り上げるとむつみはいやいやと被りを振る。どうしたのかと顔を上げさせると、ぽろぽろ泣きながら一人は嫌だと訴えるのたがら情緒がどうにかなりそうだ。縋り付くむつみを体をベッドに寝かせ、素早くスキンを着けると両足を持ち上げる。こくりと生唾を飲み込んで、慎まやかな窄まりに張り詰めて痛みさえ覚えて始めた自身の切先を押し付けた。

「むつみくんの中に入りたい」
「……いいよ、はやくッ」

投げ出された腕は緩慢に持ち上げられ、セリの首に巻き付いた。先端をぐっと押し込むと屹立は窄まりをじわじわと広げて中へ中へと飲み込まれてゆく。凄まじい光景だ、根元まで咥え込んだ様を見ているだけで弾けそう。

「……ーーーーぁ、ぁ、あ、ッ」
「あっつ……むつみくんの中とっても熱いね、ほら全部入ったよ」
「……ぅ、…ひッ、ん、ん、！！」

手のひらで下腹部を圧迫し、腰を揺すると喉を曝け出して喘ぐ。感じ過ぎているのか焦点の合わない瞳が揺れ、何度か名を呼び頬を撫でてこちら側に呼び戻す。

「ね、一人は寂しいよ。こっち見て」
「きんちゃ……ん、きんちゃん、ん、ぁッ、あ」
「お帰り、ね、一緒に気持ち良くなろうね」

顔を覗き込み視界一杯に互いを写して、時折り額を擦り合わせ首筋に唇を這わせる。何度も最奥へ穿ちむつみのものも扱き上げると、張り詰めた昂りからあっと言う間に白濁が吐き出される。喘ぐ胸に手のひらを這わせてもう少し頑張ってと言うと、窄まりがきゅんと締まった。そこかしこにキスをして、腰を送り気持ち良さげに鳴く場所を押し潰す。口付けを求められるのが嬉しい、快感に打ち震えて腰がかくかくと揺れているのも可愛くて、このままでは抱き潰すどころか食い殺してしまいそうだ。

「……ね、すきだよ、だいすき」
「きんちゃん、お、れも、……すき、すき、」
「ん、ッはぁ」

うわごとの様に好きだと繰り返すむつみの腰を抱いて激しく最奥を穿ち、セリは内奥で一度目の吐精をした。旅館から帰った後も何度かセックスしたけれど、毎回むつみの体から得られる快感を貪らずにはいられない。

「なんでかな、初めての時もそうだったけどー…一回じゃ治らないや」
「……ふぁ、？」
「ゴム無くなるまでに満足できるかなあ」

荒い呼吸を繰り返し、潤んだ瞳に火照った体を晒して色香を振り撒いていると分かっているのか、投げ出された四肢が波打つシーツを泳ぐ。セリが白濁の散った腹を指の腹で撫でると、むつみの体は面白いほどびくびくと跳ねた。うっそりと笑うのを止められない、可愛い、好き、手に入れた、手に入れた、二度と離さない。

……ーどろりとした何かが胸の内から溢れ出す

「むつみくん、ぼくね……きみを愛してる、一緒にお墓に入ってくれないなら、この手で縊り殺してしまうかもしれない。ごめんね……」
「……重い、な」
「うん、ぼくの愛は重いみたい」

そういえば今日連絡先を交換したあの人も、セリの絵の中に"重たい愛"を感じると言っていた、なるほどなと思う。　

「じゃあ今度、墓石買いにいくか」
「あっは、それ良いね」

情事後の淫靡な空気を纏ったむつみが胸を大きく上下させながら笑った、セックスの合間に似つかわしくない会話だ。

互いの呼吸が落ち着きを取り戻し、さあもう一度と横たわる体に跨がろうとした時、ふと差し伸べられた手が頬を掠める。

「……ん？」
「ね、きんちゃん。もっと、たくさん欲しい……」
「あ〜〜〜、もーーー！なんでそんなに可愛いのッ、ぼくどうにかなっちゃうよ！」

うっとりと微笑んだむつみがセリを見上げた。こんな事があってもいいのか、可愛くおねだりされて伸ばされた手を取らない男がいようものか。愚息もすっかり元気を取り戻した、いつでも抱ける。ぱかりと開いた口の中に見える赤い舌を嬲り歯列を確かめ唾液を送る、むつみは恍惚としてセリの舌を追いかけた。

むつみがセリに抱かれる事を恐れることはもう無いだろう、襲いくる多幸感で胸が張り裂けそうだ。

「明日のお世話はまかせてね」
「……ぁ、ん、ッひ、ぁ、」

快感に飲まれて仰反るむつみの頭を一撫でし、ゆっくりと腰を送り込む。勿論翌朝足腰が立たなくなるくらい散々に抱き潰した。