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パーフェクトブルー
『パーフェクトブルー』(PERFECT BLUE)は、1997年の日本のアニメ映画。竹内義和の小説『パーフェクト・ブルー 完全変態』を原案としているが、内容は大幅に異なる。国内でのレイティングはR-15指定、その他ほとんどの国では18禁。
アイドルグループの「CHAM」に所属する霧越未麻は、あるミニライブの最後に突如グループ脱退を宣言し、女優への転身を計る。
Wikipediaより引用
今敏初監督作品ですね!大好きな今監督だしサイコホラーが好きな私が見ない理由がなかったんですけど、どこの配信サイトでも中々なかったのでしばらく見れなかったんですよね。暇だしTSUTAYAで円盤を借りてきてやっと観たわけですが……なんですかこれ。なんですかこの傑作。開いた口がふさがらない。
何よりも特徴的だったのが今監督でよく見る現実と夢がまじりあう演出。怖いシーンだ……→夢かぁ→怖いシーンだ……の繰り返しなので見てる方も精神やられてくる。本当にずっと怖いんですよ。一番怖かったのはやっぱりエレベーターで脚本家が殺されるシーンですかね。愛の天使が流れながらエレベーターが昇降していく演出……ああいうの大好きだからうわっ怖い好きって思いながら見てました。それとカメラマンを殺す夢を見た後、未麻の部屋に返り血のついた服があったシーン。あの辺ほとんど過呼吸で。サイコホラーとしての完成度が高すぎる……好きだ……
個人的にパプリカと対になる作品なのではないかと思っています。未麻も敦子ももう一人の自分を抱えているけれどそれらが与える影響は真逆のもの。敦子はパプリカを受け入れ友人のような関係を作っているけれど、もう一人の未麻は未麻の立場を揺るがすものでしかない。窓にうつった自分が現実の自分とは別の動きをする、という演出はどちらにもあったんですけれどまるで趣が違いますよね。それからパプリカの鮮やかな色彩に比べるとパーフェクトブルーは全体的に色調が暗い気がする。だからこそ最後のシーンのルミの衣装と血が際立つんですよね。
何が夢か現実かわからないまま進んでいくストーリーの終盤明かされるすべての元凶。あれは本当にびっくりしました。考えてみれば未麻の部屋に入れるのはルミぐらいしかいないわけだし。けれどルミは未麻の良き理解者だと思ってたのでかなりショックでしたね。とっさにルミを助けた未麻も今まで自分のことを思っていたルミがいたからこその行動だったわけだし。見返せばここはそういうことだったのかって頷けそうなシーンがいっぱいありますね。
そして最後の未麻の笑顔。あの解釈って色々あると思うんですけど解釈どころではなく震えて口開いてエンドロール見てました。ずっと口呼吸で呆然としながら白字が流れてるのを見て、身体が全然動かせなかったんですよね。キャラデザ江口さん!えっ大友先生もなんかおるし、モブに三木さんと谷山さんがおるし丸山さんは面白い作品に絶対関わってるし……情報過多だったんですけど、本当に呆然としていたわけです。その時点で人生に名を刻みやがったアニメ群に入ってしまった。今監督ありがとう……今監督の作品はずれなんか一つもないんですよね。もう新しい作品が見れないと考えると本当に悲しいけれど凄いものを遺してくださったな、と。
特典映像は73分あるし、もう一回見ないと気がすまないのでしばらくパーフェクトブルーに浸る期間ですね。
余談
ブラックスワンという映画にパーフェクトブルーを意識したシーンがいくつかある、というのを見たのですが。ブラックスワン、私が昔予告で見て妙に気になっていた映画だったんですよね。画面見ながらこの映画私知ってる!ってなりました。何とブラックスワンの公開年は2010年。当時私は四歳。よく覚えていたな……よく印象に残していたな……何とも不思議なめぐりあわせだなと思ったわけです。そのうちブラックスワンも見たい……!
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