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serial experiments lain
『存在は認識=意識の接続によって定義され、人はみな繋がれている。記憶はただの記録にすぎない。』という世界観のもとで繰り広げられる、14歳の少女・玲音(lain)をめぐる物語。リアルワールドとコンピュータネットワーク・ワイヤード(Wired = 繋がれたもの)に遍在する「lain」という存在について。分析心理学の創始者、カール・グスタフ・ユングが提唱した集合的無意識の化身"lain"がワイヤードを介して現実世界を侵食するというサイコホラー的な作品である。1990年代のアンダーグラウンドなオタクカルチャーを未来的に描き直したような作風で、全作品で一貫して陰鬱とした雰囲気がある。メディアミックスの実験でもあり、媒体間の相互参照により世界観への理解が深まるような仕組みが作られている。
はぁ……へぇ……ニコ動でsonny boy見てた時に「ギャオで配信してるよ」っつーコメがあって慌てて見たんですよ。わしゃがなで星野源が紹介してたので気になってたんですよ。
なんというか、言語化しにくい……その、めちゃくちゃ難しいなっていうのが初見の感想でした。陰鬱とした雰囲気、先見性がありまくるネットの世界の描写、岩倉玲音という強烈な個性。万人受けはこりゃしませんよね。でもやっぱ刺さる人には刺さりまくる。
私がどれくらい刺さったかというと日本海溝くらい。ちょうど最近、似たテーマの攻殻機動隊を見たせいもあってバリバリに私の身体が受け付けるようになってたんですね。
いわゆる派手さはこの作品の中にはない。鬱くしいっていう表現がぴったりで。
コードに繋がれまくった玲音ちゃんとか意味深な電柱とか機械だらけの部屋とか思わずブルってなるような演出が詰め込まれてる。(FAXお姉ちゃん不気味すぎて大好き)
徐々に崩れていく日常。それがなんとも鬱くしい。
どこかでsonny Boyと似てるっていう意見も見かけたんですけども。確かにその難解さはめちゃくちゃあるんですけど趣が180度逆ですよね。あちらは青春でこっちは鬱。テーマはまるで違う。
似てる、といえば攻殻機動隊の方が似てるんじゃないかなぁ、と。
世の中に一つとして同じ作品はないんだから比べるのは無粋ってもんです。
個人的に一番腑に落ちた解釈が、ゲームとアニメは繋がっていてゲームが前日譚とする説。
その解釈でいけば「こういうもの」だと理解してみればそこまで難しくないはず。
そうしてみるとアニメは神話みたいな話だったなぁって思って。ネットに偏在して人々の記憶に残っていた少女が肉体を得て、現実とネットの境界を崩すことになってしまう、みたいな話。なんかでありそうですよね。
うーんゲーム版がますます見たくなったし画集も欲しくなった。
玲音に救いがあったとすればやっぱりそれはありすの存在だったんだろうな。最終回のあそこは切ないけど救いを見た気がする。
とにかく玲音に惹かれてやまない不思議なコンテンツ。sonny boy以上に人を選ぶ。けれど気になったら一度は見た方がいいと思います。
……私って90年代アニメが好きなのかなぁ……
ネットで生きる紀異子と現実の私は確かに違う。そして紀異子は観測者自身の記憶によって存在する。
そう考えると私ってなんなんだろうって思いますよね。
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