10人が本棚に入れています
本棚に追加
妄想代理人
『妄想代理人』(もうそうだいりにん、Paranoia Agent)は、マッドハウス製作の今敏によるテレビアニメ作品。全13話構成で2004年2月2日からWOWOWにて毎週月曜日24:05から24:35までスクランブル放送された。今敏が唯一手掛けたテレビアニメ作品である。
あらすじ
疲れた現代社会を癒す人気マスコットキャラクター「マロミ」をデザインした鷺月子は心の闇を持っていた。そして、月子に感化された人々が次々に通り魔「少年バット」に襲われ、市井の人々を恐怖へと陥れていく。しかし、幾人も被害者が出て、多くの目撃者がいるにもかかわらず、少年バットは一向に捕まりそうになかった。
少年バット事件を担当する刑事の猪狩慶一と馬庭光弘は、捜査を進める中で、被害者の持つ不思議な共通項に辿り着く
Wikipediaより引用
はい、ついに見ました!パプリカ見てから見たい見たい言ってたんですけどアマプラになかったから見れてなかったんですよ。そしたら急にギャオで配信されてまして。……テスト期間でした(何をしている)
だって面白かったんですもん!しょうがないじゃん!
パプリカはポップに夢を描き切っていた(多分)んですけど妄想代理人は妄想と現実は入り混じるけれどどこまでも現実が黒く描かれています。人間の悪い面がぎゅっと濃縮された話もたくさんあるので割と精神が……
特に私がしんどかったのが蛭川周辺のストーリーで。生理的な気持ち悪さと人間の惨さが脳を殴ってくる、みたいな。私がこの歳ってこともあるんでしょうけど、蛭川の犯した罪もろもろ吐き気を催すレベルなんですよ。だんだんエスカレートしていく様とか見ていて本当にしんどくなりかけた。精神やられたときに見てたら廃人になってたなぁ……
それからイッチーとか蝶野のエピソードもめちゃくちゃしんどい。イッチーは自業自得なところもあるとはいえ、いじめの描写とかしんどくてたまらない。蝶野は二重人格の話で、もう一人の自分が自分が幸せになるのを妨げるのがほんとにしんどい。もう、ほんっとにしんどいんですよ。
それでも鬱にならずに(なりかけたけど)爆速で面白れぇ!って見切れたのは今監督のうまい塩梅がきいてるからなんですよね。
今監督ってすごく話をわかりやすく見せてくれる監督だと思うんですよ。夢と現実の入り混じるとわからないところも増えていくんですけど、前提条件とかはとてもわかりやすく視聴者に教えてくれる。わかりやすさとわかりにくさが絶妙なんですよね。これは押井監督とかにも言えることだなって思うんですけど(私的には押井監督はわかりにくさの比重が大きい気がします。それを演出のかっこよさでカバーしてるのが押井監督だと)
それから私の一番好きな回、8話についても言及しておきます。ネットで出会い、自殺をめざす、青年、老人、少女が自殺への旅をする回ですね。
こう書くと、すごく重い回に聞こえるんですけど演出はすっごく軽やかなんですよ。自殺をする彼らのバックボーンにはほとんど触れられないし、三人はただただ楽しく時を過ごす。一種の家族となって旅をするわけです。
私は旅館のシーンが一番好きなんですよ。自殺という目的だけで集まった三人が何も生産しない家族として楽しんでいる。
そして最後のオチ。監督のブログも読むと妙な涙があふれて止まらなくて。8話は間違いなくアニメ史に残る傑作だと思うんですよね。
妄想代理人は本筋に関係ない話の完成度が異常なのがほんとに最高なんですよ。人間ドラマを濃く濃く見せてくれる。
最終回あたりは私が説明できる語彙を持っていないんですけど、もうとにかく最高でした。月ちゃんがカワイイっていうのもあるんですけど、アハイ。
ただまぁ……見終わったらわりと鬱っぽくなりましたね。見てよかったんですけど、精神不安定なときに見たらぶっこわされますよ。もしかしたらおやすみプンプンより、自分は精神にキたかもしれない。
見といて損はないと思います。はやく千年女優もパーフェクトブルーも見たい!!
あと今監督の話。終盤はわからないところもあったので監督のブログも追っていたのですが。その時に見た最後のブログ。
亡くなる直前に書かれたブログ。あれを読んで、ずっと泣いてました。今でも思い返すたびに涙が出てきます。本当に偉大な監督。今監督の生きざましかと見届けました。遺してくれた作品、ゆっくり味わいます。
最初のコメントを投稿しよう!