少女革命ウテナ

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少女革命ウテナ

幼い頃に自分を助けてくれた王子様に憧れ、自分も王子様になりたいと願うようになった少女・天上ウテナは、入学した鳳学園で「薔薇の花嫁」と呼ばれる少女・姫宮アンシーと出会う。エンゲージした者に「永遠」に至る「世界を革命する力」を与えるという「薔薇の花嫁」をかけて戦い続ける生徒会役員(デュエリスト)たちは、ウテナがかつて王子様から貰った指輪と同じ「薔薇の刻印」と呼ばれる指輪を持っていた。ウテナもまたこの決闘ゲームに巻き込まれ、その背後にある「世界の果て」へと迫っていく…。 Wikipediaより引用  幾原邦彦監督が手掛けた世紀の名作。39話と非常に長いのですがようやく完走しました。本当に見てよかった……と思える作品でした。  本ッッ当に演出が良い!!!!少女漫画調の絵柄でえげつない演出がもりもり盛り込まれて泡をふきました。今見ても斬新だしスタイリッシュだ……  ウテナの特徴的な演出は影絵少女とバンクだと思ってます。影絵少女はその話の本質を表している、とまで言われる大事な演出。これ声優さんがめちゃくちゃ良い味を出している。コミカルでありながら確信をつくような発言にひやりとさせられる。ウテナは影絵少女を認識していないから(終盤は別として)非常にメタ的でウテナをウテナたらしめている。ウテナは虚構世界を外側から見ている視聴者、という構図が明確に意識されている気がするんですよね。  バンクはあらかじめ作った映像を使いまわす手法のことで、ウテナでは決闘シーンで使われています。手抜きなどと言われてしまうバンクなんですけど繰り返し見て飽きない映像を作るっていうえげつない技術ですよね。鳳暁生編からの決闘バンクがめちゃくちゃに好きなんですよ。ウテナの髪がさらっさらでかわいいから。  いやもう……見ろとしか言えないんですよ。演出一つ一つ語ってたらとんでもない文字数になるんです。  ひとつ挙げるとしたら黒薔薇編の演出です!まず根室記念館が異様で良いじゃないですか。無数の椅子と矢印。これだけで好きです。デュエリストが思いを吐き出す懺悔室のようなエレベーター(であってますかね)とさなぎ。決闘の服もめちゃくちゃにカッコいい。大量に移動する机も良いですよね。事件現場の人型みたいなのにぴったりおさまって倒れるところで痺れました。そのあと棺が落とされるのも好き。御影草時が好き、というのもあるんですけど黒薔薇編はかなり印象深いです。  どの表現をとってもエキセントリックで抽象的なので入りにくいといえばそうかもしれないんですけど、本当に筋が通った物語でダイレクトに響くものがある。少女革命ウテナはアンシーが天上ウテナの献身と自己犠牲によって自我を得るシスターフッドの物語だと思っています。39話かけて関係性が丁寧に築かれていく。それは決して綺麗なものじゃなくて浮き出る人間性は生々しくて、ぞっとするような感触も得られる。  特に私は終盤のウテナがなかなかしんどかったです。王子様になるという意志が薄れていくのが見ていてしんどかった。だからこそ最後、アンシーのために王子様になろうとしたウテナを見て震えずにはいられなかったんです。ウテナは本当に王子様になれなかったのか?王子様の定義するところが理想だとするならば、十分ウテナは王子様だったはずです。誰よりもウテナはカッコよかった。名字の「天上」が意味するところを少し理解した気がしました。  そういえばアンシーの声優さん良いですよね。絶妙。少し不気味さも感じると言うか……それゆえにウテナとの差が際立つ。  あとこれは絶対に語らなければいけません。  有栖川樹璃。なんといっても有栖川樹璃。男装の麗人で誰よりも凛々しく美しい。そんな彼女が道ならぬ恋をするのはどうしようもない性格泥沼女枝織……本当に性格泥沼なんです。有栖川樹璃は女の趣味が悪すぎる。  初めてその設定が明かされた回(細田守絵コンテ回)は非常に衝撃的でした。頭を打ち付けました。そんな素晴らしい人間がいて良いのかと。それから幾回か樹璃様回があったんですけどそのたびに私は頭を打ち付けました。どの回も素晴らしい。あれっきりで終わったかと思った枝織との関係に進展は……進展はないんですけど(むしろかき回されているという)もうなんといいますか。有栖川樹璃幸せになってくれ……としか。  私が本当に死んでしまったのは「空より淡き瑠璃色の」回です。土屋は最悪男です。マジで最悪なんですけど結局樹璃を一番想っていたのはコイツだった。最低最悪だ。土屋については保留にしておきます。問題はロケットペンダント破壊事件です。ペンダントが壊れたときの樹璃様の動揺の仕方が素晴らしい。芸術です。胸元がはだける。最高ですね。決闘がどうでもよくなって薔薇を自らの手でむしりとる。毎回、樹璃様ウテナに負けてはいないんです。さすが樹璃様。  冗談抜きで「空より淡き瑠璃色の」は人生に名を刻む一話なんですよ。終始切ない。だからこそ好き。  これほど有栖川樹璃に狂った女は枝織をうらまずにはいられない身体になってしまいました。あんな自己愛は高いくせに自己肯定感は地の底の泥沼女を何故好きになったんですか。あの人は樹璃様を幸せにできません。これは確定なんですよ。枝織は恋慕して勝ち取ってヤンデレ化したはいいが結局あっさり捨てるまでがセットの女です。樹璃様も例外ではないんです。だからこそ最終回の樹璃のフェンシング部入部に変な声をあげてしまったんです。何が目的なんですアナタ!!!!!!!!!!!!!!!!!許しませんよ樹璃様を傷つけたら。樹璃様は枝織が傷つくことを絶対によしとしない最高の女なのに。革命された世界では何かが変わったんでしょうかね????????変わってないと思います!!!!!!!!!!!!  すいません。自我があまりにも出ました。私は有栖川樹璃に幸せになってしほしいだけなんです。  有栖川樹璃の幸せって枝織を追いかけていることなんでしょうかね。結ばれることをゴールに据えている感じはしないので。???枝織、最終回後に樹璃様をたぶらかしてくっついた後に捨ててたらどうしよう???そうしたら本当に有栖川樹璃の幸せがわからなくなる。  あまりにも樹璃様はキャラクター造形として優れているんです。もう樹璃様のことしか考えられません。途中からただの怪文書なんですけど、見終わってほやほやの樹璃様モンペの所感はこんなところです。  もっと言いたいことがあるんですけど上手く言語化できないので寝かします。あまりにも樹璃様ショックがデカすぎる。  ピンドラと39話かけてやっとイクニイズムがしみわたった感じがします。映画の方もはやく見ます。さらざんまいも見たい!!!!!!
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